ラ・フォル・ジュルネ金沢 「熱狂の日」音楽祭2009:モーツァルトと仲間たち
【323】ポール・メイエ,戸田弥生,ジェラール・コセ,仲道郁代
2009/05/04 14:30- 石川県立音楽堂邦楽ホール |
1)モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第2番変ロ長調,K.424
2)モーツァルト/ピアノ三重奏曲変ホ長調K.498「ケーゲルシュタット」
●演奏
ポール・メイエ(クラリネット*2),戸田弥生(ヴァイオリン*1),ジェラール・コセ(ヴィオラ),仲道郁代(ピアノ*2)
- 今回のLFJKに登場したソリストたちの中でも特に大活躍した4人の奏者が勢揃いした豪華な顔合わせによる室内楽コンサート。
- これだけ渋い曲の組み合わせにも関わらず満席になったのは,4人の奏者の人気とともに,ラ・フォル・ジュルネという音楽祭の持つ魅力に寄るものだろう。
- 私自身にとっても,この公演が室内楽公演の”トリ”となった。
■ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第2番変ロ長調,K.424
- 戸田さんのヴァイオリンとコセさんのヴィオラによる二重奏。2日前にヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364を聞いた人にとっては,アンコール的に響いただろう。
- 戸田さんの耽美的なヴァイオリンとコセさんのヴィオラのすべてを包み込むような豊かな音の組み合わせが今回も絶妙。
- ぴったり息が合っており,安心して音に浸ることができた。リラックスして音楽を聞くこのとできる幸福感を実感できた。戸田さんの鮮やかな赤のドレスも印象的。
■ピアノ三重奏曲変ホ長調K.498「ケーゲルシュタット」
- クラリネット,ヴィオラ,ピアノという変わった編成による三重奏曲。
- ケーゲルシュタットというボウリングに似た室内遊戯をしながら作曲した,と言われているためにこの愛称があるが,大変聞き応えのある作品
- 第1楽章からメイエさんのリラックスしたクラリネットとコセさんのヴィオラのはもりが素晴らしい。抑えているのに上機嫌さが伝わって来る演奏。
- 今回も,メイエさんのクラリネットの非常にデリケートで自然なニュアンスの付け方が大変美しかった。
- 第2楽章のメヌエットも強弱の付け方にメリハリが効いており,大変ダイナミック。
- 作曲当時は,モーツァルト自身がヴィオラを演奏したようだが,今回の演奏もコセさんのヴィオラがクラリネット,ピアノ,ヴィオラという別系統の楽器を結び付ける要になっていた気がする。
- 第3楽章は流れるような歌。シューベルトのメロディを聞くような気持ちよさがとても良かった。
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両曲とも名人同士が集まって,一つのファミリーを作っているような演奏だった。年に一度の音楽祭ならではの豪華で室の高い室内楽だった。
(2009/05/11)
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