オーケストラ・アンサンブル金沢 新春ミニコンサート
2010/01/03 1回目 13:00〜/ 2回目 14:00 石川県庁19階展望ロビー交流コーナー |
ジーツィンスキー/ウィーン,わが夢の街
モーツァルト/弦楽四重奏曲第6番変ロ長調,K.159〜1,2楽章
ロドリゲス/ラ・クンパルシータ
ハーライン/映画「ピノキオ」〜星に願いを
久石譲/映画「もののけ姫」〜もののけ姫
見岳章/川の流れのように
●演奏
大村俊介,大村一恵(ヴァイオリン),古宮山由里(ヴィオラ),福野桂子(チェロ)
金沢では,2010年の元旦からずっと冬の北陸地方らしい,雪混じりの天候が続いています。この日もかなりの悪天候でしたが,正月も3日目にもなるとお節料理にも飽き,テレビ番組にも飽き,寝正月が好きな人でも軽く外出したくなります。かといって,初売りの雑踏は嫌...という人にぴったりのイベントが毎年,石川県庁の展望ロビーで行われています。私自身,参加するのは今回が初めてだったのですが,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の弦楽四重奏メンバーによる,無料の新春ミニコンサートです。30分ちょっとの長さなので,気軽に楽しむことができます。
今回は,雪にも関わらず250名ほどのお客さんが入っていました(今回は,マスコミの取材も沢山入っており,夜のローカル・ニュースでこの人数を報道していました)。小さな子供から年輩の方まで,いろいろな方が聞きに来ていたこともあり,プログラムの方もそのことを意識した多彩なものになっていました。
最初に演奏された「ウィーン,わが夢の街」は,1月7日のOEKのニューイヤー・コンサートでも演奏される曲です。その予告編ということで,新年にぴったりの選曲です。もともとは甘く親しみやすい声楽曲なのですが,じっくりと聞かせてくれる弦楽四重奏版にも別の味わいがあります。
次のモーツァルトの弦楽四重奏曲第6番は,今回トークを担当された大村俊介さんを中心とする弦楽四重奏団,クワルテット・ローディのお得意のレパートリーです。今回のヴィオラ奏者は,ローディの大脇さんではなく古宮山さんでしたが,金沢蓄音器館でのあの連続演奏会を思い出させてくれるような演奏でした。
大村さんによると,演奏時間が丁度良く,作曲されたのが冬(12月頃)ということで,選曲したとのことです。この曲は,モーツァルトが16歳の頃,ミラノに旅行した際に作曲した6曲セットの中の1つなのですが,「魔笛」の「夜の女王のアリア」を思わせるような暗い雰囲気を持った楽章を含む曲で,初期の弦楽四重奏曲の中でも特に魅力的な作品だと思います。
今回は,時間の関係で第1,2楽章のみ演奏されましたが,どちらの楽章も聞き覚えがありました。最初に演奏された第1楽章の方は,落ち着いた歩みを感じさせてくれるような上品さのある曲です。第2楽章の方は,上述のとおり暗い雰囲気を持った曲なのですが,今回の演奏には,切迫感はあるけれども,激し過ぎず,どこか淡い雰囲気がありました。窓の外の雪景色によくマッチした演奏だったと思います。
その後は,メンバーの自己紹介コーナーがあった後,いろいろなジャンルの曲が演奏されました。
「ラ・クンパルシータ」は,タンゴの定番曲ですが,弦楽四重奏との相性もぴったりです。今回の演奏は,力強さよりもどこか哀愁を感じさせてくれました。「星に願いを」も「もののけ姫」も,どちらもアニメ映画の中の音楽ですが,弦楽四重奏で演奏すると大人向けの音楽になるのが面白いところです。「もののけ姫」の方は,主旋律を演奏していたヴァイオリンとチェロの音色に米良美一さんの声を思わせるような暖かさがあり,曲のイメージにぴったりでした。最後の「川の流れのように」は,文字通り流れるような軽やかな演奏でした。
というわけで,OEKのニューイヤー・コンサートを待ちきれずに,「演奏会初め」として出かけてきた演奏会でした。今年も沢山の演奏会に出かけたいと思います。
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県庁の外観です。 |
展望コーナーといいつつ,窓の外は...真っ白 |
景色もかすんでいました。 |
(2010/01/05)
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関連写真集 |

県庁の玄関ホールの大型モニターに演奏会の案内が表示されていました。

19階の喫茶コーナーです。この付近で演奏してもらっても良いかもしれないですね。

演奏の行われた交流コーナー
交流コーナーにも大型モニターがありました。 |
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