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[しいのき迎賓館オープン記念演奏会:金沢市立工業高等学校吹奏楽部]
2010/04/10日 12:00- 石川県政しいのき迎賓館 石の広場
三國浩平/グランド・ファンファーレ(ラ・フォル・ジュルネ2010公式ファンファーレ)
伊藤康英/ふりむけばショパンの調べ:吹奏楽のためのファンタジー
ラ・マルセイエーズ
ショパン(編曲者不明)/別れの曲
リード/行進曲「ゴールデン・イーグル」
(アンコール)三國浩平/グランド・ファンファーレ
●演奏
幸正勤也指揮金沢市立工業高等学校吹奏楽部
Review by 管理人hs  

しいのき迎賓館オープン記念のミニコンサートを建物の中で聞いた後,迎賓館の外の芝生側を見てみると,高校の吹奏楽部らしき団体が演奏の準備を始めていました。非常に気持ち良い天気でしたので,こちらも聞いていくことにしました。今回登場したのは,石川県内でもっとも伝統と実力のある高校吹奏楽部の一つ,金沢市立工業高等学校の吹奏楽部でした。金管セクションが,オープニング・セレモニーのファンファーレも担当しており,それに引き続いての登場ということになったようです。

#このイベントについては,全く案内のチラシがなかったのですが,急遽開催さることになったのでしょうか?どこかに書いておいて欲しかったところです。

こちらはもまた,ラ・フォル・ジュルネ金沢2010のPRを兼ねており,公式ファンファーレをはじめ,ショパンにちなんだ曲がいくつか演奏されました。

最初に演奏された,三國浩平さん作曲のグランド・ファンファーレは,ラ・フォル・ジュルネ2010公式ファンファーレのコンテストで,優秀作品として選ばれたもので,既に公式サイトから聞けるようになっていますが,生で聞くのは今回が初めてのことです。今月末からは何回も聞くことになる音楽ということで,ラ・フォル・ジュルネ気分をしっかりと先取りすることができました。

次の伊藤康英さんの作品も曲の作りとしては同様で,ショパンの曲をいくつか盛り込んだ,吹奏楽用の曲です。ただし,こちらの方が演奏時間は長く,トランペットのソロが入るなど,より華やかな感じでした。聞いた感じでは,華麗なる大円舞曲op.18,ノクターンop.9-2,黒鍵のエチュードが中心になっていたと思います。特に黒鍵のエチュードを吹奏楽で演奏するというのは,なかなか面白いものでした。

今回の演奏は,もう一つ,5月中旬ぐらいに行われる「フランス芸術週間」のPRもちなんでいるということで(ほとんど,ラ・フォル・ジュルネとメドレー・リレーのようなものですが),フランスにちなんだ曲が演奏されました。指揮者の幸上先生のお話によると,誰でも知っているフランスの曲ということで,国歌「ラ・マルセイエーズ」が演奏されました。世界中で最も吹奏楽演奏に相応しい国家かもしれないですね。

吹奏楽版の別れの曲が演奏された後,トリの曲として,アルフレッド・リード作曲の行進曲「ゴールデン・イーグル」が演奏されました。この曲は,199 年に行われた石川国体の際に作曲された曲で,作品の後半部に「石川県民の歌」のメロディが盛り込まれています。石川県民でありながら,この行進曲のみならず「県民の歌」を聞くのも初めてでしたが,吹奏楽の世界の大家が,石川県のために作った曲ということで,今となっては大変貴重な曲なのではないかと思います。

ちなみに,「ゴールデン・イーグル」と言えば,プロ野球チームの「東北楽天ゴールデン・イーグルズ」を思い出しますが,日本語で言うと「イヌワシ」ということで,石川県の県鳥です。英語で言うと,何か急に格好良くなる感じです。行進曲の中に国歌などを盛り込んだ曲はいろいろとありますが,途中から急に日本風のメロディになるのが中々面白い味わいを出しているのではないかと思います。最後に三國さん作曲のファンファーレがアンコールで再度演奏されてお開きとなりました。

5月2日はこの周辺で一日中吹奏楽のコンサートが行われるようですが,吹奏楽演奏にぴったりの場所です。ただし..この日は直射日光が厳しかったですね。5月2日には,何か工夫が必要かもしれませ

PS.県の建物のオープニングに金沢市立の高校が登場するというのも不思議な感じがありますが,この辺は金沢市と石川県の連携の良さということでしょうか?

PS.しいのき迎賓館ですが,公式サイトがまだない?ようです。今時信じられないのですが,どうなっているのでしょうか?
 (2010/04/14)



この日は絶好の花見日和でした。同時期にオープンした,いもり堀付近の様子と併せて,写真でご紹介しましょう。

兼六園下交差点

石川門を撮影。絵はがきのような見事な光景でした(写真にすると,かえって面白みがなくなりました)。 今回整備され,水の入ったいもり堀です。旧丸の内キャンパスに通っていた金沢大学出身者にとっては,「宮守(みやもり)」という呼び名の方がなじみなのですが,「やもり」が正しいようです。
しいのき迎賓館オープニングに併せて,広坂通りには,タペストリーが沢山飾られていました。 花見シーズンの雪洞ですが,よく見ると「ラ・フォル・ジュルネ金沢」というのもありました。 広坂通りの桜並木です。
別の角度から撮影 兼六園前の広坂交差点付近 やもり堀の復元に併せて,金沢城鯉喉櫓台も復元されました。
この台は一種の展望台です。広坂交差点はこのように大渋滞でした。 台からしいのき迎賓館側を眺めてみました。 こちらは金沢城の石垣方面です。
百間堀側の見事な桜並木 再度石川門下の沈床園方面へ。ブルーシートの上では花見の宴会を早くも行っていました。 1枚目の写真の兼六園下・真弓坂付近に戻りました。
     
これは関係ありませんが,浅野川沿いの桜です。遠くに雪山が見え,なかなか豪華な景色となっていました。


関連写真集


しいのき迎賓館の「金沢城」側で行われました。


この辺の芝生の上から眺めてもよさそうです。


ラ・フォル・ジュルネのTシャツを着ているスタッフもいました。


出番を待つ市立工業吹奏楽部のメンバー