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オーケストラ・アンサンブル金沢第300回定期公演PH
2011年5月13日(金)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
1)ショスタコーヴィチ/バレエ組曲「黄金時代」op.22a
2)ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
3)ショスタコーヴィチ/交響曲第1番ヘ短調
4)(アンコール)チャイコフスキー/歌劇「エフゲニー・オネーギン」〜ポロネーズ
●演奏
井上道義指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(コンサートマスター:アビゲイル・ヤング)
ボリス・ベルキン(ヴァイオリン)*2
Review by 管理人hs  

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の回を重ね,今回で300回になりました。ただし,仕事の関係で行くことができませんでした。代わりに,前日の5月12日の午後,最終リハーサルを聞いてきました。

LFJKを盛り上げた(?)4人 楽友会の皆さんと聞いてきました。
まだ,ラ・フォル・ジュルネの看板も残っていました。 1階の後方で聞きました。当然のことながら,メンバーは皆さん私服でした。

今回の公演は,OEKとしては珍しい「オール・ショスタコーヴィチプログラム」ということで,大変楽しみにしていました。「せめてリハーサルの見学でも...」ということで,楽友会の皆さんと一緒にリハーサルを見学してきました。

以前,ゲネプロを見学したことはあったのですが,今回は通して演奏するのではなく,ところどころオーケストラを止めてリハーサルを行っていました。非常に新鮮に感じました。

まず感じたのは,指揮者というのは現場監督なんだな,ということです。井上道義さんは,音のバランスを客席まで降りて確認したり,「○○の音は聞こえるか?」とアシスタントの方に尋ねたり,イスの位置をチェックしたり...芸術家という前に,その日のステージ全体の責任者というリーダーシップのようなものを感じました。それと非常に効率よく,リハーサルをしていたのが印象的でした。

今回は,いきなりショスタコーヴィチの交響曲第1番の4楽章から始まりました。ざわざわしていたと思ったら,急に静かになり,すぐにリハーサルが始まりました。その切り替えの速さはさすがプロと思いました。その後,ボリス・ベルキンさんを交えてのヴァイオリン協奏曲第1番のリハーサルが行われました。ベルキンさんと井上さんは,旧知の中のようで,緊張感の中にもリラックスした気分のある集中度の高いリハーサルをされていました。

今回はオーケストラの編成がかなり増強されており,非常に聞きごたえのある響きを楽しむことができました。聞きに行けないのは非常に残念ですが,行かれる方は,是非感想をお聞かせください。
(2011/05/28)

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入口の看板