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いしかわミュージックアカデミー2011 ミニコンサート
2011年8月21日(日)11:00- / 13:00- JR金沢駅コンコース
1)ヘンデル/歌劇「リナルド」〜私を泣かせてください
2)プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」〜誰も寝てはならぬ
3)久石譲/Summer
4)久石譲/となりのトトロ
5)モーツァルト/セレナード第13番ト長調,K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
6)(アンコール)ホルスト/組曲「惑星」〜木星
●演奏
ジェヒョン・イ,ジョン・イム(ヴァイオリン),本田有輝(ヴィオラ),秋津瑞貴(チェロ)
Review by 管理人hs  

いしかわミュージックアカデミー(IMA)は,期間中,金沢市内を中心とした,県内各地でミニコンサートを行っています。この日はまず,午前10:30から石川県立音楽堂のカフェコンチェルトで行われたヴァイオリニストの神尾真由子さんによる,「体験レッスン」の様子を眺めた後,JR金沢駅コンコースに移動し,IMA受講生による,「金沢エキコン」を聞いてきました。

今回は韓国と日本の4人の受講生による弦楽四重奏で,5曲の小品が演奏されました。演奏直前までは,午前中ということもあり,それほど大勢の人は集まっていなかったのですが,演奏が始まると,ざわざわ,ぞろぞろと人が集まりだしました。この辺がエキコンの面白いところです。

最初に演奏されたヘンデルの「私を泣かせてください」は,静かな曲なのですが,曲が始まり,雑踏の中から立ち上がってくる音に耳を澄ませていると,ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンで音楽を聞いているような感じで,曲が浮き上がってきます。この感覚が好きです。

それ以外の曲も,おなじみの曲ばかりでした。今回は,第1ヴァイオリンのジェヒョン・イさんがメロディを担当する曲が多かったのですが,「トゥーランドット」→「女子フィギュア」→「韓国」...と勝手に連想してしまい,なぜかキム・ヨナさんのイメージとダブらせて聞いてしまいました。

久石譲さんの「Summer」は,「新しい夏の定番」と説明されていましたが,特に夏休み中の駅のコンコースにはぴったりの選曲です。「トトロ」の方は,夏も冬も関係ない定番曲ですが,クラシカルなアレンジで,キリっとした弦楽四重奏らしい演奏を楽しませてくれました。

最後は,若い奏者らしい元気で快活なアイネ・クライネ・ナハトムジークの演奏で締められました。恒例となっているJR金沢駅からの花束贈呈の後,それに応える形で,アンコールでホルストの木星の一部(いわゆる「ジュピター」ですね)が演奏されました。弦楽四重奏で聞くと,ハイドンの「皇帝」ではありませんが,英国国歌のように格調高く響いていました。

PS. 神尾真由子さんによるレッスンは,最初の20分程だけ見てきました。石川県内在住の3人の受講生に対して神尾さんがレッスンをするというもので,IMAの”将来の受講生募集”という意図もあるようです。ローカルのテレビ局も取材に来ており,IMAの絶好のPRになっていました。

神尾さんの指導では,「この部分の筋肉を使って」とか「あと5cm上」とか非常に具体的に体の使い方についての説明をされていたのが印象的でした。IMAのマスタークラスのレッスンはまた違う内容だと思いますが,プロだなぁと感じました。(2011/08/22)








関連写真集


I公演ポスター


子供連れの方も目立ちました。


こちらは音楽堂の方のイベント案内用ポスター


こういう雰囲気でレッスンは行われました。