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ラ・フォル・ジュルネ金沢 「熱狂の日」音楽祭2013:パリ,至福の時:フランスとスペインの音楽
フェテ・ド・ラ・ピアノ・ミュージック1,吹奏楽の日
2013年4月29日(月) 石川県立音楽堂コンサートホール,JR金沢駅コンコース

Review by 管理人hs  

ラ・フォル・ジュルネ金沢では,前半のエリアイベントの中で「ピアノの日」「吹奏楽の日」という形でジャンルに特化したイベントを行っています。本日がその日でした。今日は,その他,フラメンコとかジャズとか子供向けイベントも行っていたのですが,さすがに全部行くのは体がいくつあっても足りません。

まず,午前中は10:30から石川県立音楽堂のコンサートホールで行われた地元ピアニストが次々と登場するピアノの演奏会(500円という安さ)を聞いてきました。アマチュア演奏家とはいえ,オーディション合格した方ばかりということで,どの演奏も見事なものでした。それと音楽堂のコンサートホールで演奏できるというのは大変気持ちよかったのではないでしょうか。今回は1階の真ん中辺りで聞いてみたのですが,ピアノの音の美しさを楽しむことができました。

フェテ・ド・ラ・ミュージック(1)
10:30〜12:30 石川県立音楽堂コンサートホール
1)ドビュッシー/小さな黒人
2)シャブリエ/絵画風の小品〜スケルツォ=ヴァルス
3)ドビュッシー/マズルカ
4)フォーレ/組曲「ドリー」〜第1曲「子守唄」
5)サン=サーンス/アレグロ・アパッショナート op.70
6)ドビュッシー/前奏曲集第1巻〜第1曲「デルフィの舞姫」,第5曲「アナカプリの丘」
7)プーランク/間奏曲変イ長調
8)サン=サーンス/6つのエチュード op.111-6 トッカータ
9)ラヴェル/ソナチネ〜第1楽章
10)サン=サーンス/アレグロ・アパッショナート op.70
11)サン=サーンス(リスト編曲)/死の舞踏ト短調 op.40
12)ドビュッシー/喜びの島
13)フォーレ/夜想曲第2番ロ長調 op.33-2
14)シャプリエ/おどけた行列
15)サン=サーンス/白鳥
16)サティ/ジムノペディ第1番
17)ラヴェル/ピアノ三重奏曲〜第1楽章
●演奏
川岸亜悠子*1,塚田千華*2,井上倫華*3,海野李*4,五嶋菜々加&平能令鳳*5,米谷麻里*6,白澤あまね*7,西川璃南*8,大庭歌綸*9,肩大佑*10,浜野辰彦*11,塚田尚吾*12,吉藤佐恵*13,八木和子*14,釜谷彩香&中野沙也加*15(ピアノ)
藤原朋代(ヴァイオリン*15-17),細川文(チェロ*15-17),平野加奈(ピアノ*15-17)
司会:青島広志


フェテ・ド・ラ・ミュージックの午前の部では,小学生から一般まで20人近くのピアニストが次々と登場し,フランスの作曲家の作品が次々と演奏されました。ちなみに午後の部ではドビュッシー特集だったようです。この中では塚田尚吾さんの演奏した「死の舞踏」(リスト編曲版)が特に素晴らしいと思いました。ピアノの鳴り方素晴らしく,音の色彩感も大変豊かでした。

司会は青島広志さんでした。青島さんは,こういう演奏会の時,「盛大な拍手を贈りましょう」ということをいつも言われているのですが,その成果があり,どの演奏に対しても暖かい拍手が贈られていました。青島さんが具体的に説明されていたように,「ステージの真ん中に入る前から拍手しましょう」というのは,是非,定着させたいですね。青島さんの説明の中で「今回,演奏者の皆さんは「ヘタ」と書いて下手(しもて)の方から入って,演奏した後,上手(かみて)に出てきます。」と言われていたのも面白かったですね,「へた→じょうず」という動きは,なかなか象徴的だと思いました。

最後に,藤原朋代さん,細川文さん,平野加奈さんによるピアノ三重奏の演奏を聞いた後(ラヴェルの三重奏はいい曲です。今回の音楽祭の中ですっかり気に入った曲の一つです),午後からは,しいのき迎賓館裏に移動しました。



しいのき迎賓館裏で行われる吹奏楽公演もすっかりおなじみとなり,今回も大勢のお客さんがピクニック気分で演奏を聞いていました。この会場ですが,今回から「ラ・フォル・ジュルネ金沢「吹奏楽の日」」の横断幕が出ていました。写真に写した時に,これがあると良いですね。



毎年お馴染みのしいのき迎賓館から見下ろしてみました。演奏しているのはNOTOマーチングバンドです。


その後,遊学館高校,野々市明倫高校が登場しました。 
 

ここまで芝生の上で過ごした後,14:30からはタテマチ商店街で演奏するというので,移動してみました。中々新鮮な光景でした。これもNOTOマーチングバンドです。

 

続いて15:00からJR金沢駅前のもてなしドームで小松明峰高校が演奏するので移動しました。この角度の写真は,ラ・フォル・ジュルネ金沢の定番の写真ですね。
 

こちらは半分屋根の下での演奏なのでドームいっぱいに音が広がり,演奏が始まるとどんどんお客さんが集まってきました。小松明峰高校の演奏は毎年のように聞いているのですが,今年も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

最後はお馴染みの「宝島」でしたが,「風になりたい」という曲とメドレーになっており,ものすごい盛り上がりを作っていました。年々,パフォーマンスが上手になってきているような気がします。


本当はしいのき迎賓館の方に戻り,「最後の合同演奏」を聞いてみたかったのですが,小松明峰の演奏に引き込まれてしまい,戻ることができませんでした。

というわけで,今年も金沢名物の「屋外での吹奏楽」は天候にも恵まれ,大いに盛り上がりました。
(2013/05/11)