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音文協年末公演第54回第九交響曲
2016年12月18日 (日) 14:00〜 金沢歌劇座 |
1=吉澤検校(西幹夫編曲)/千鳥の曲
2=ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付き」
●演奏
花本康二指揮石川フィルハーモニー交響楽団*2,特別編成県民オーケストラ*2,石川県三曲協会*1,金沢邦楽アンサンブル*1,石川公美(ソプラノ*2),小泉詠子(メゾ・ソプラノ*2),糸賀修平(テノール*2),原田勇雅(バリトン*2)
合唱:石川県合唱協会県民合唱団*2,名古屋なかがわ第九合唱団*2(賛助出演)
年末のクラシック音楽といえば,全国的にはベートーヴェンの第9交響曲という人が多いと思いますが,金沢では,「メサイア」や「くるみ割り人形」の公演も多いこともあり,ここ数年,年末には聞いて来ませんでした。これは,故岩城宏之さんの「第9は特別な時のために,なるべく指揮しないようにしていた」といった発言の影響を受けているせいもあります(といいつつ,最晩年の岩城さんは毎年「全交響曲」を指揮していましたが...)。
今年は私の家族の知人が合唱団で出演するということで,石川県音楽文化協会による第9公演のチケットが私まで巡って来たこともあり,久しぶりに「師走の第9」に行くことにしました。12月に聞くのは,金聖響さんがオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と作った交響曲全集用のライブ録音の時以来かもしれません。
本日はそれ以外にも,石川県立音楽堂では「ランドセルシリーズ」としてベートーヴェンの交響曲の抜粋を演奏していたので,OEKファンとしては,こちらに行くべきところでしたが...「小学生のための音楽会」ということなので,さすがに止めておきました。
さて今回の第9ですが,オーケストラの方が石川フィルハーモニー交響楽団をベースとした特別編成県民オーケストラ。合唱団の方も石川県合唱協会県民合唱団ということで,ソリスト以外は,すべてアマチュアによる公演でした。音文協では,このスタイルでベートーヴェンの荘厳ミサ曲も毎年演奏していますが,大変立派な取り組みだと思います。今年からはオーケストラのメンバーについても,公募でメンバーを追加しているとのことで,「県民自身の手による第9路線」がすっかり定番化していると言えます。
今回の指揮は,おなじみの花本康二さんでした。さすがに金沢歌劇座で聞くと,粗が目立つところがあったり,苦労しているなぁと感じさせる部分はありましたが,この大曲を堂々と聞かせてくれました。特に第4楽章の最後の部分での,しっかりと音を鳴らし切った充実感が見事でした。合唱の方は,50年以上に渡って歌っている団体ということで,こちらもまた堂々とした貫禄を感じました。
ソリストの方もお馴染みのソプラノの石川公実さん,メゾ・ソプラノの小泉詠子さんなど,石川県出身の者が入っているのがうれしいかったですね。男声2人も若々しい声を聞かせてくれました。
第9の前に石川県三曲協会,金沢邦楽アンサンブルとオーケストラ,合唱との共演で千鳥の曲が演奏されました。この取り合わせも定番となっています。大編成だけれども,実に古雅な雰囲気があり,和洋が溶け合った独特の気分を作っていました。
音文教の年末公演ですが,荘厳ミサの方は,12月23日に石川県立音楽堂で行われます。こちらも聞きに行く予定です。
(2016/12/26)
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公演の立看板

公演のポスター

出演者に宛てた花束の数にも歴史を感じました。
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