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オーケストラ・アンサンブル金沢 新春ミニコンサート
2019年1月3日(木)1回目 13:00〜、2回目 14:00〜 石川県庁舎19階展望ロビー交流コーナー

ハイドン/弦楽四重奏曲変ロ長調,op.76-4「日の出」〜第1楽章
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第1番ヘ長調, op.18-1〜第1楽章
ドヴォルザーク/ユーモレスク

●演奏
オーケストラ・アンサンブル金沢メンバーによる弦楽四重奏(原田智子,江原千絵(ヴァイオリン),石黒靖典(ヴィオラ),早川寛(チェロ)



Review by 管理人hs  

2019年最初の演奏会は,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)メンバーによる新春ミニコンサートでした。毎年1月3日に石川県庁19階展望ロービーで行っているもので,今回も大勢のお客さんで賑わっていました。私の場合,今年の正月三が日は,初詣に行った以外は,「ほぼ家の中」でゴロゴロと過ごしていましたので,絶好の気分転換になりました。そういった方が大勢集まっていたのではないかと思います。

以前来た時よりもお客さんの数は多く感じました。


別の角度から見るとこういう感じになります。


演奏された曲は,ハイドンの弦楽四重奏曲「日の出」〜第1楽章,ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第1番〜第1楽章,ドヴォルザークのユーモレスクということで,比較的堅めの選曲でしたが,30分ほどの時間,しっとりとした弦楽四重奏の音色を楽しむことができました。登場したのは,ヴァイオリンが原田智子さん,江原千絵さん,ヴィオラが石黒靖典さん,チェロが早川寛さんでした。

ハイドンの「日の出」は,恐らくこの展望ロビーにちなんでの選曲でしょう。今年の場合,初日の出の時間帯はしっかり晴れていましたので,このロビーからもしっかりと見られたのではないかと思います。この曲の第1楽章の出だしの部分は,じわ〜っと太陽が昇っていくような雰囲気がありますので,「音楽による初日の出」といったところです。今回の演奏はロマンティックな気分が漂うぐらい,柔らかな空気感がありました。少々くすんだ感じがあったので,冬の金沢の空にぴったりだと思いました。

続くベートーヴェンの弦楽四重奏曲は,恐らく「第1番=最初=1年の最初」というつながりで選ばれたのではないかと思います。実は,12月20日に石川県西田幾多郎記念哲学館で行われた,OEKメンバー(今回とはヴィオラの石黒さんを除くと別メンバー)によるコンサートで聞いたばかりの曲だったので,図らずも聞き比べのような形になりました。この曲についてもじっくり,ゆったりと演奏され,豊かな情感が耳に染みこんでくるようでした。特に第1ヴァイオリンの原田智子さんの表情豊かな演奏が印象的でした。

最後は,ドヴォルザークのユモレスクがアンコールのような感じでリラックスした雰囲気で演奏されて,終了しました。

この日はお客さんが多すぎたこともあり(私は13:00からの1回目の方を聞きました),会場に到着した時は,椅子席が全部埋まっており,立ったまま聞くことになってしまいました。補助席がもう少し欲しいところでしたが,これも地元でのOEKの人気によるところでしょう。

今年もまた,可能な限り演奏会通いをして,色々な音楽を楽しみたいと思います。

PS. 演奏会の前に,展望台から金沢市内の景色を眺めてみました。冬の空気は澄んでいるせいか,とてもくっきりと見えました。

まず,駅西の「50メートル道路」側。石川県立中央病院方面の景色です。


続いて金沢駅〜金沢市街地方面です。奥に山があるはずですが,よく写っていませんでした。


立山連峰まで見えることもあるのでしょうか?真ん中を北陸自動車道が左右方向に横切っています。


金沢港方面です。


(2019/01/05)




公演の案内


配布されたリーフレット


石川県庁外観