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いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2017 レビュー・トップページ
4月29日(土・祝) 開幕ファンファーレ,オープニング・コンサート 「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2017」の開幕とオープニンス・セレモニーは,ほぼ,ラ・フォル・ジュルネ金沢の時と同様でした(そもそも,これらのセレモニーは,従来から金沢独自企画でしたね)。 まず,午前11時にJR金沢駅 鼓門下で行われたオープニング・ファンファーレを聞いてきました。やや風は強かったものの,晴れたのも良かったですね。 司会は青島広志さんで,ザ・トランペットコンサートの皆さんによってファンファーレが演奏されました。 ![]() 音楽祭のキャラクター,ガルガンチュアの紹介もありました。生で初めて見たのでが,紙に印刷されたものよりも,ずっと可愛らしい印象です。これから最終日まで,音楽祭を盛り上げてくれることでしょう。 ![]() その後,金沢大学フィルハーモニー管弦楽団による演奏が続きました。 ![]() ![]() ![]() この日は,いったん帰宅し,出直した後,14:00からのオープニング・コンサートを聞いてきました。 【OP】オープニングコンサート 14:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール 式典 1)富山県民謡/越中おわら 2)石川県民謡/山中節 3)ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 4)(アンコール)宮川彬良/シンフォニック・マンボ No.5 ●演奏 ユベール・スダーン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(コンサートミストレス:アビゲイル・ヤング)*2-3 アン・アキコ・マイヤース(ヴァイオリン*3) 越中八尾おわら保存会*1, 高田柳晴(唄*2), 山岸紘晴(三味線*2), 清水晴起,武部晴聖(踊り*2) 午後からは,記念式典に続いてオープニングコンサートが行われました。司会は池辺晋一郎さんでした。 開演前には,コンサートホールの2階席のホワイエの辺りで,トランペットのファンファーレが鳴り響いでいました。この場所はなかなか良いと思いました。, 入口の雰囲気も,ラ・フォル・ジュルネ金沢の時と同様でした。 ![]() ![]() 記念式典の内容も,ラ・フォル・ジュルネ金沢の時と全く同じで,前田利祐氏,谷本石川県知事,山野金沢市長の3人の方からの挨拶でした。 オープニング・コンサートの方には,目新しさがありました。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がメインでしたが,その前に,まず,ザ・トランペットコンサートによるファンファーレ,その後,富山県民謡の越中おわら,石川県民謡の山中節が演奏(踊り付き)されました。 ファンファーレは,ベートーヴェンの歌曲「自然における神の栄光」をもとにしたファンファーレでした。確か高校ぐらいの音楽の教科書に合唱曲として載っていた曲で,なつかしい気分になりました。トランペット8人による演奏で,大変気持ち良く爽快に聞かせてくれました。ちなみに,午前中に鼓門下でのファンファーレは,別の曲(編成も違っていた?)だったと思います。やはりホール内で聞く方が聞き映えがすると思いました。 越中おわらは,9月初旬に富山県八尾で行われる「風の盆」が有名ですが,その雰囲気をそのままホールに持ってきた感じでした。ベートーヴェンとは...つながらないのですが,「風」という言葉ではつながっていますね。胡弓の音と哀愁と全体に漂う浮遊感が,大変魅力的でした。「男踊り」「女踊り」の2種類が順に登場しましたが,ずっと浸っていたくなるような雰囲気がありました。 山中節の方は,ロングトーンの声の美しさが大変魅力的でした。こちらはオーケストラの伴奏による演奏で,民謡の声と大変うまく溶け合っていました(ただしマイクを使っていました)。 その後はメインプログラムのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が演奏されました。まず,ユベール・スダーンさん指揮OEKの演奏が素晴らしいと思いました。スダーンさんの演奏を聞くのは今回が初めてでしたが,虚飾を配して,基本的に速目のテンポで演奏していましたが,その中に何とも言えない,柔らかさや落ち着きがあり,安心して聞けるベートーヴェンを楽しませてくれました。 白と黒のドレスで登場したアン・アキコ・マイヤースさんは,その雰囲気どおりの,クール・ビューティな演奏を聞かせてくれました。凛とした音で,くっきりと演奏されていました。要所要所で,しっかりと歌い込んだり,非常に力強く演奏したりする,音楽の聞かせ方も巧いと思いました。 ちなみにこの曲では,第1楽章の後,盛大な拍手が入りました。お客さんの傾向としては,「はじめてこの曲を聞く」人が多かった印象です。 このオープニング・コンサートを聞いて,この音楽祭のコンセプトは「過剰なまでの盛り沢山」感かなと実感しました。音楽祭の後半では,4日連続でピアノ・ソナタマラソンに挑戦する予定なので,体調に注意しながら,ベートーヴェン祭りを楽しみたいと思います。 終演後,音楽祭のマスコットのガルガンチュアが出口でお出迎え。記念撮影をする人もいて(結構,年輩の方に人気?),今日一日で一気に知名度を上げたのではないかと思います。 青島広志さんによるイラストも,前年までと同様でした。 ![]() 金沢オリジナルの辻口パテシエによるスイーツと金沢オリジナルグッズ。クリアファイルやマスキングテープなどを売っていました。 ベートーヴェン交響曲全集はコンサートホールの企画の目玉。右側は協賛企業 邦楽ホール前にもプログラムの掲示 |