2004年11月の演奏会から OEKが登場する金沢周辺で行なわれる演奏会

11月7日(日)15:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第170回定期公演M 指揮=ギュンター・ピヒラー
2004年11月の演奏会 11月前半の定期公演はOEKのレパートリーの中心であるオール・モーツァルトプログラムです。指揮はギュンター・ピヒラーさんです。過去,集中力の高いモーツァルト演奏を聞かせてくれたピヒラーさんならではの演奏となると思います。今回は,ハフナー交響曲交響曲第40番が演奏されますが,40番がメインとして演奏される機会は珍しいのではないかと思います。どういう解釈が聞けるのか楽しみにしたいと思います。

今回,もう一つ楽しみなのはピアノ独奏として小山実稚恵さんが登場することです。OEKが金沢市観光会館で定期公演を行っていた時代には数回共演していますが,石川県立音楽堂に本拠地が移ってからは初登場だと思います。今回は,ピアノ協奏曲第19番という後期の作品ながら比較的生で聞く機会の少ない作品が演奏されます。どういうモーツァルトを聞かせてくれるか楽しみです。

11月14日(日)15:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
邦楽器&OEKジョイントコンサート 指揮=ギュンター・ピヒラー
邦楽器&OEKジョイントコンサート 毎年恒例になっている邦楽器とOEKとのジョイント・コンサートです。今年は11月に行われます。今回の構成演出も例年どおり水野好子さんで,著名な邦楽器奏者とOEKとの共演が繰り広げられます。今回演奏される曲は次のとおりです。
宮城道雄(池辺晋一郎編曲):春の海
堀内貴晃:小編成管弦楽のためのCapriccioあばれ祭りに寄せて
清水目千加子:幻想天女
宮城道雄(近衛秀麿・直麿編曲):越天楽変奏曲
小山 薫:おてもやん
多田栄一:八木節幻想曲
牧野由多可(多田栄一編曲):日本の心「海」


今回ゲスト出演するのは,人間国宝の山本邦山(尺八)さん,砂崎知子(箏)のお二人です。その他,箏合奏:石川県箏曲連盟、石垣清美・沢井箏曲院に加え,特別編成の合唱団が参加します。最後に演奏される牧野さんの作品にはこれらの人たちが勢ぞろいします。なかなか楽しみな作品です。堀内さんの作品と清水目さんの作品は数年前,OEKが「アンコール・ピース」を一般公募したときの作品です。どちらも石川県をイメージさせる曲で,邦楽器との相性も良いのではないかと思います。特に第1位になりながら「超難曲」ということで,再演されてこなかった堀内さんの作品に注目したいと思います。

■11月22日(月)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第171回定期公演PH 指揮=岩城宏之
2004年11月の演奏会 今年度,石川県立音楽堂では「シューベルト歌曲の世界」というシリーズものの演奏会を行っていますが,その第3回と兼ねているのがこの定期公演です。今回は,OEKが今は亡き名バリトン歌手ヘルマン・プライさんとの欧州公演をする際に鈴木行一さんに特別に編曲をしてもらった管弦楽伴奏版「冬の旅」が再演されます。

当初,ディートリッヒ・ヘンシェルさんが登場する予定だったのですが,都合により歌手が交代になりました。その代わりに登場したのが..何とヘルマン・プライさんの息子さんのフローリアン・プライさんがでした。歌手としてはまだそれほど知られていない方ですが,今回の共演は岩城宏之指揮OEKとヘルマン・プライの財産を次の世代に引き継ぐような趣きがあります。金沢の聴衆にとっては,「二代目プライ襲名公演」という感じかもしれません。