2005年3月の演奏会から OEKが登場する金沢周辺で行なわれる演奏会

3月4日(金)19:00〜(開場18:15) 石川県立音楽堂コンサートホール
パイプオルガン,チェロ,オーケストラの饗宴 バロック音楽集
第177回定期公演M 指揮=ルドルフ・ヴェルテン ジャン=ピエール・ヴァレーズ
2005年3月の演奏会 3月の定期公演Mは,バロック音楽とオルガン曲を中心とした独創的なプログラムです。指揮はおなじみのルドルフ・ヴェルテンさん...のはずでしたが,急病のため,これもまたおなじみのジャン=ピエール・ヴァレーズさんに変更になりました。

オルガン独奏は,日本を代表するオルガン奏者の小林英之さんです。小林さんが登場するのは,2001年の石川県立音楽堂の開館記念演奏会以来のことです。今回はその時にも演奏された外山雄三編曲のJ.S.バッハ/トッカータとフーガニ短調ブリクシという作曲家のオルガン協奏曲第5番ヘ長調です。ブリクシの方は大変珍しい作品なのではないかと思います。

もう一人,遠藤真理さんという若手チェロ奏者が独奏で登場し,ボッケリーニ/チェロ協奏曲第9番変ロ長調を演奏します。この曲は,チェロ協奏曲の代表作ですが,これまで定期公演で演奏されていない気がします。遠藤さんの新鮮な演奏に期待したいと思います。

最後は,J.S.バッハ/管弦楽組曲第3番が演奏されます。いわゆる「G線上のアリア」を含む曲ですが,トランペットを含む華やかな祝祭的な曲想も聞きものです。ヴェルテンさんはブランデンブルク曲全曲の演奏会でもエネルギーに溢れた生き生きとした演奏を聞かせてくれたので期待していたのですが,急病で交代ということで少々残念です。

3月13日(日)16:00〜(開場15:15) 石川県立音楽堂コンサートホール
「勧進帳」による邦楽とオーケストラのジョイントがついに実現
素囃子&オーケストラ・アンサンブル金沢ジョイントコンサート
指揮=ルドルフ・ヴェルテン
 ジャン=ピエール・ヴァレーズ
2005年3月の公演 OEKは,邦楽器との共演を積極的に行っているオーケストラですが,昨年からは金沢を代表する邦楽アンサンブルである素囃子とのジョイントコンサートも行っています。昨年は”東”の方の素囃子が登場しましたが,今年は金沢西芸妓連むすび会が素囃子で登場します。昨年とは一味違った演奏を楽しむことができそうです。

今回のプログラムで注目されるのは,鈴木行一/勧進帳:素囃子とオーケストラ・混声合唱のためにです。石川県にも縁のある「勧進帳」がどういう形でアレンジされるのか興味深いところです。ギリシャ悲劇の”コロス”のような役目でOEK合唱団も参加します。

その他,次の曲が演奏されます。一調一管「天馬の翔」(小鼓:堅田乃莉,笛:藤舎秀扇),素囃子「舌出し三番叟」(むすび会),北條美香代/室生犀星の詩による5つの歌。この中の北條さんの作品は2001年の石川の三文豪によるオーケストラ歌曲作曲コンクールで入選した作品です。そのコンクールのとき依頼の再演ということになります。 メゾソプラノ独唱で登場するのは石川県出身でウィーン国立歌劇場合唱団などで活躍されている中西富美枝さんです。

なお演奏会の司会はNHKの芸能花舞台の司会でお馴染みの生稲晃子さんが担当します。

3月15日(火)19:00〜(開場18:15) 石川県立音楽堂コンサートホール
新潟中越地震・スマトラ沖地震津波復興支援チャリティ・コンサート
指揮=岩城宏之
チャリティコンサートちらし※入場整理券の代わりになります。 昨年2004年は,世界的に見て大変災害の多い年でした。その中でも特に被害の大きかったのが新潟県中越地震スマトラ沖地震・津波の2つでした。その復興支援のためのチャリティ・コンサートが金沢でも行われます。コンサートの入場料は無料ですが,募金にご協力頂くことになります。集まった義援金は被災地の方に送られます(この演奏会は入場無料ですが,入場するには演奏会のチラシが必要とのことです)。過去,いろいろな災害が起きるたびに演奏会場で募金を募ってきたOEKならではのコンサートといえます。

今回のプログラムは追悼のための音楽だけではなく,OEKの奏者がソリストとして登場する曲が沢山演奏されます。チャリティの意味を離れても大変楽しめる内容の演奏会になるのではないかと思います。岩城宏之音楽監督のシロフォン独奏も聞けるようですよ。

独奏に登場するのは,次の方々です。
ヴァイオリン:アビゲイル・ヤング,チェロ:ルドヴィート・カンタ,クラリネット:遠藤文江、木藤美紀 トランペット:藤井幹人,ピアノ:宮谷理香,箏:石川県箏曲連盟

演奏されるのは次のような曲です。武満徹:弦楽のためのレクイエム モンティ:チャールダーシュモーツァルト:ピアノ協奏曲第21番〜第2楽章、第3楽章宮城道雄(池辺晋一郎編):春の海 ,カバレフスキー道化師より「ギャロップ」,ポーランド民謡:クラリネット・ポルカ ,アンダーソン:トランペット吹きの子守唄 ほか

3月19日(土)16:00〜(開場15:15) 石川県立音楽堂コンサートホール
ブラームス交響曲集第3弾!権代敦彦 新曲・世界初演
第178回定期公演PH 指揮=岩城宏之
2005年3月の公演 岩城宏之音楽監督は,数年前からとブラームスの交響曲を積極的に取り上げています。これまでOEKとは第4番,第2番を演奏してきましたが今回の演奏会では第1番が演奏されます。ブラームスの交響曲中もっともスケールの大きい作品を室内オーケストラでどのように演奏するか期待したいと思います。

この日は,ヴァイオリン独奏としてアン・アキコ・マイヤースさんが登場しブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番を演奏します。OEKの定期公演初登場のアンさんがどういうブルッフを聞かせてくれるか楽しみにしたいと思います。

その他,OEKのコンポーザー・イン・レジデンス権代敦彦さんの新作84000×0=0 for Orchestra Op.88が世界初演されます。わけの分からないタイトルで一体どういう作品なのか全く予想がつきません。そこがまた現代曲を聞く楽しみの一つです。