OEKfan  オーケストラ・アンサンブル金沢を応援するページ  管理人:金沢市在住hs(C)

このページは,オーケストラ・アンサンブル金沢(略称OEK)を応援するページです。OEKの演奏会を楽しむために役立つ情報を満載したいと考えています。
2014年9月の演奏会  今後の予定 backnumber


■9月6日(土)14:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
岩城宏之メモリアルコンサート
指揮=山田和樹,ヴァイオリン=内藤淳子

9月上旬の新シーズン最初の定期公演は,毎年「岩城宏之メモリアルコンサート」ということが多かったのですが,今年はこのコンサートは定期公演ではなく,純粋に「メモリアルコンサート」として開催されます。今回は,今年の岩城宏之音楽賞を受賞したヴァイオリニストの内藤淳子さんとの共演を中心に,メンデルスゾーンの作品とOEKの委嘱作品が演奏されます。当初,井上道義さんが指揮する予定でしたが,現在病気療養中ですので,山田和樹さんに交替になりました。

山田さんは,現在,日本を代表する若手指揮者として国際的に活躍をしていますが,その活躍の第1歩となったのが,岩城さんの代役で登場したOEKとの公演だったのではないかと思います。その点でこの演奏会の指揮者として代役で登場するのにぴったりと言えます。

最初に演奏される。ウンスク・チン/大アンサンブルのための「グラフィティ」という作品は,当初7月の定期公演で井上道義さん指揮で演奏される予定だったものです。ウンスク・チンさんは,OEKの前のコンポーザー・オブ・ザ・イヤーだった方で,その成果を披露する公演ということになります。今回の特徴はOEKの単独委嘱ではなく国際的な共同委嘱となっている点です。「大アンサンブルのための」という表現も面白いのですが,どういう曲成果を上げているのか期待したいと思います。この作品の初演はすでに行われているようで,今回は「アジア初演」ということになります。

続いて登場する内藤淳子さんは,金沢市出身のヴァイオリニストで現在,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者として活躍されています。内藤さんの演奏は,第2回の新人登竜門コンサートの時に初めて聞き,その後,OEKとの定期公演や石川県立音楽堂でのソロ・リサイタルを聞いたことがあります。岩城宏之音楽賞は,新人登竜門コンサート後の成長した姿について表彰するような位置づけになって来ているところがあります。今回の内藤さんの受賞は,10年以上のOEKファンには特に「家族の成長を見守る」ようなところがあるのではないかと思います。今回,お馴染みのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で,どういう表現を聞かせてくれるのが楽しみにしたいと思います。す。

後半では,内藤さんの演奏曲目に合わせるようにメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」が演奏されます。山田さんは,実は今年の2月のOEKの定期演奏会で,メンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」の見事な演奏を聞かせてくれました。そのアンコールのような位置づけになりそうです。ちなみにこの曲をOEKが演奏するのは初めてではないかと思います。交響曲第1番はかなり前に尾高忠明さん指揮で演奏されたことがあったので,これでOEKによる「メンデルスゾーン交響曲全集」は完結したことになります。その意味でも大変楽しみな演奏です。

  • ウンスク・チン/大アンサンブルのための「グラフィティ」(2012〜13)(2012年度共同委嘱作品・アジア初演)
  • メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調 op.64
  • メンデルスゾーン/交響曲第5番ニ長調op.107「宗教改革」


なお,この公演では,OEK定期会員がS,A席を購入した場合のみ1,000円割引となり,25周年記念本引換券が配布されます。配布されるのは,OEK25周年記念本として潮博恵さんがOEKを取材して執筆された次の本です。

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■9月10日(水)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第354回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
指揮=マルク・ミンコフスキ,ピアノ=辻井伸行


オーケストラ・アンサンブル金沢の新シーズン最初の定期公演フィルハーモニー・シリーズは,このところOEKとの関係が強まっている2人の人気アーティストが登場します。指揮のマルク・ミンコフスキさんは,レ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴル・グルノーブルの指揮者として,2009年以降2回石川県立音楽堂に登場しています。2013年の公演では「OEKが登場しないOEK定期公演」として演奏されましたが,今回は純粋にOEKを指揮されます。OEKの指揮をするのは2012年に続いて2回目です。

ミンコフスキさんと言えば古楽演奏の専門家という印象がありますが,OEKと共演するときは,純粋なフランスの指揮者となるようで,前回のラヴェルのマ・メール・ロアを中心としたプログラムに続いて今回もフォーレ,ラヴェル,ビゼーといったフランス音楽を聞かせてくれます。特にOEKが設立当時から色々な指揮者で演奏してきたビゼーの交響曲をどう聞かせてくれるのか大変楽しみです。

ソリストとして登場するのは辻井伸行さんです。辻井さんとOEKは1年前の全国ツァーでショパンのピアノ協奏曲第2番やグリーグのピアノ協奏曲(金沢では演奏していません)を聞かせてくれましたが,今年はミンコフスキさんのプログラムに合わせるようにラヴェルのピアノ協奏曲が演奏されます。こちらもOEKが過去何回も演奏してきた十八番のような曲です。ミンコフスキ+OEK+辻井伸行によってどういう化学反応が起こるのか?大変楽しみです。

  • フォーレ:「ペレアスとメリザンド」組曲
  • ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
  • ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
  • ビゼー/交響曲ハ長調

ミンコフスキさんと辻井さんは,金沢公演以外にも次のとおり2回公演を行います。金沢公演の「亡き王女のためのパヴァーヌ」は,東京公演の感じからすると,おそらく,管弦楽版ではなく,辻井さんの独奏ではないかと思います。

9月11日(木) 19:00開演(18:15開場) Bunkamura オーチャードホール
辻井伸行 ラヴェルを弾く! 
ラヴェル:水の戯れ,亡き王女のためのパヴァーヌ,ソナチネ,ピアノ協奏曲 ト長調
ビゼー:交響曲 ハ長調

9月12(金) 19:00開演(18:00開場) 群馬音楽センター 高崎音楽祭  ※金沢公演と同じ曲目



■9月20日(土) 14:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
355回定期公演マイスター・シリーズ
指揮=ギュンター・ピヒラー


新シーズン最初のマイスターシリーズは,当初は井上道義音楽監督が指揮する予定でしたが,この公演も病気療養のためギュンター・ピヒラーさんに交替になっています。

マイスターシリーズは,2013-2014のシリーズは「ベートーヴェン交響曲全集」でしたが,今シーズンは「オーケストラ・マスターピースシリーズ」というコンセプトです。日本語に訳すと「名曲シリーズ」になりますが,それほど単純ではなく,毎回,「有名曲」にハイドンの「あまり演奏されない」交響曲を組み合わせるのが狙いのようです。

今回はシェーンベルクの「浄夜」,シューベルトの「未完成」とハイドンの交響曲第81番の組み合わせです。ピヒラーさんが第1ヴァイオリンとして活躍していたアルバン・ベルク四重奏団を思わせる新旧のウィーンの音楽によるプログラムとなります。

特にシェーンベルクの「浄夜」については,石川県立音楽堂が出来たばかりの頃のピヒラーさん指揮の定期公演での緊張感溢れる雰囲気が今でも印象に残っています。それから10年以上経っていますが,今回はどういう音楽を聞かせてくれるのか特に注目したいと思います。

  • シェーンベルク/浄められた夜 op.4(弦楽合奏版)
  • ハイドン/交響曲第81番ト長調 Hob.I-81
  • シューベルト/交響曲第7(8)番ロ短調 D.759「未完成」

ピヒラーさん指揮による公演ですが,この公演の後,郷古廉さんを加えて,次のとおり全国で公演を行います。大分で演奏会を行うのは今回が初めてのようです。

大阪定期 9月23日(火祝) 15:00開演 ザ・シンフォニーホール
シェーンベルク:浄められた夜 作品4(弦楽合奏版)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 Op.90「イタリア」

名古屋定期 9月24日(水) 19:00開演 愛知県芸術劇場コンサートホール
シューベルト  :交響曲第7(8)番 ロ短調 D.759「未完成」
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 Op.90「イタリア」

第29回松江プラバ音楽祭 9月26日(金) 19:00開演 松江市総合文化センター
山陽小野田公演 9月27日(土) 18:30開演 山陽小野田市文化会館 大ホール
大分《初》公演 9月28日(日) 15:00開演 iichiko総合文化センター 音の泉ホール
メンデルスゾーン:八重奏曲よりスケルツォ(管弦楽版)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 Op.90「イタリア」



■9月29日(月)19:00〜 石川県立音楽堂交流ホール
音楽堂室内楽シリーズ第3回 シモン&マインハルト・プリンツ デュオ
マインハルト・プリンツ(ピアノ),シモン・プリンツ(ヴァイオリン)


今年度3回目の音楽堂室内シリーズには,過去,金沢でも何回か公演を行いOEKとの共演したことのあるピアニスト,マインハルト・プリンツさんとその息子のヴァイオリニスト,シモンさんが登場します。マインハルトさんは,オーストリア国立ウィーン・アカデミーで学び,後進の指導もされてきた方ということで,今回演奏される曲もウィーンの音楽が中心ですが,その中では演奏される機会の少ないペンデレツキのヴァイオリンとピアノのためのソナタに注目をしたいと思います。

  • モーツァルト/ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ホ短調
  • ブラームス/ハンガリー舞曲第1番
  • ペンデレツキ/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 他



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2001年9月6日開設