2002年9月の演奏会から

■9月8日(日) 第126回定期公演PH
指揮=岩城宏之
2002年9月の公演
9月は新しいシーズンの始まりです。OEKにとっては石川県立音楽堂開館1周年の月でもあります。9月は岩城宏之音楽監督指揮の公演が3つあります。定期公演PHは「21世紀のメッセージ」というタイトルがついています。岩城さんがライフワークとしている,日本人作曲家の曲の初演にOEK十八番の2曲を組み合わせたプログラムです。

今回世界初演されるのは,松村禎三:新曲(オーケストラのための),三善晃:童声・混声合唱とオーケストラのための「3つのイメージ」の2曲です。いずれも現代日本作曲界の大御所とも言える方の作品です。三善さんの作品の方は,OEK合唱団,OEKエンジェル・コーラスも加わります。松村さんの作品は,まだ完成していないのかもしれません(「新曲」というタイトルのはずはないと思いますが...)。

演奏順は分かりませんが,これらの曲の他に次の2曲が演奏されます。チャイコフスキー:弦楽のためのセレナードプロコフィエフ:古典交響曲。いずれも岩城指揮OEKがもっとも得意とする曲です。


■9月12日(木) 音楽堂開館1周年記念公演:ギドン・クレーメル&OEK
指揮=岩城宏之
9月の公演
※残念ながらギドン・クレーメルさんは,急病のため来日できなくなり,代わりにマイケル・ダウスさんが演奏することになりました。

この月は,開館1周年行事がたくさん行なわれます。「音楽堂ウィーク」と称して盛りだくさんのイベントが行なわれます(入場料金の安い企画ばかりです)。そのトップを飾るメイン・イベントがこの演奏会です。現在,世界でもっとも有名なヴァイオリニストでかつもっとも個性的な活躍をしているヴァイオリニスト,ギドン・クレーメルが金沢に初めて登場します(ビラには「ヴァイオリンの魔人」などと書いてあります)。その他にマルタ・スドラバというチェリストとアンドリウス・ズラビスというピアニストも登場しますが,スドラバさんの方は最近クレーメルさんが力を入れているクレメラータ・バルティカという室内管弦楽団の首席奏者です。クレーメルさん同様,ラトヴィア出身です。ズラビスさんは,リトアニア出身の若手ピアニストで,室内楽奏者としてクレーメルさんとの共演の多い方です。

演奏される曲は,ベートーヴェンの三重協奏曲がメインとなります。その他,ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」チャイコフスキーの憂鬱なセレナードが演奏されます。それに加え,アウアバッハ作曲のゆううつな海のためのセレナードという新曲が演奏されるのが,岩城+クレーメルらしいところです。この曲は,武満徹へのオマージュ作品です。

この演奏会と同様のプログラムは,東京,大阪,名古屋でも行なわれます。

■9月21日(土) 第127回定期公演F
指揮=水木ひろし, ゲスト=加山雄三

2002年9月の公演
9月のFシリーズのゲストは,歌手の加山雄三さんです。加山さんは,シンガー・ソングライターのはしり的な存在です。加山さんのヒット曲のほとんどは,弾厚作という名前で加山さん自身が作曲したものです。どういう曲が演奏されるのかはわかりませんが,ビラのレイアウトからすると,君といつまでも,夜空の星,お嫁においで,海その愛,蒼い星くずといった曲が演奏されるようです。また,加山さんのエレキギター演奏も聴くことができるようです。

指揮は,水木ひろしさんです(本名は改めて書きません)。音楽の分野は違いますが,ほぼ同じ時代を活躍してきたベテランのお二人の共演は,きっと味のあるものとなることでしょう。


■9月29日(日) チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」(全幕)
指揮=天沼裕子,ドイツ・マグデブルク市立歌劇場バレエ団

2002年9月の公演
石川県立音楽堂で初めてバレエが上演されます。上演されるのは,チャイコフスキーのくるみ割り人形です。音楽堂は,コンサートホールなので,一体どのような形で上演されるのか興味があります。今回踊るのは,ドイツ・マグデブルク市立歌劇場バレエ団のダンサーです。指揮は,おなじみの天沼裕子さんです。天沼さんは,この歌劇場の専属指揮者を務めています。その他,地元の川内幾子バレエスタジオ,金丸明子バレエスタジオのダンサーも共演します。

「くるみ割り人形」は比較的上演時間が短く,子供やおもちゃが沢山登場する,ファンタジックなバレエですから,家族で楽しめる公演になることでしょう。