■６月３日(日) 14:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第7回ピアノ協奏曲の午後：若きピアニストたちによる華麗な調べ 指揮＝山田和樹
 石川県内でピアノ音楽の演奏・指導・研究に携わっている方々を中心とした団体である石川県ピアノ協会主催による県内の若手ピアニストとOEKが共演する演奏会です。この演奏会も今回で7回目となります。今回は金沢市出身のピアニストとしてすっかりお馴染みの宮谷理香さんをゲストに迎えて多彩な協奏曲が演奏されます。取り上げられる曲と演奏者は以下のとおりです。
・メンデルスゾーン：ピアノ協奏曲第1番ト短調op.25（北野なぎ沙）
・ショパン：ポーランド民謡の主題による幻想曲op.13（梅木綾子）
・リスト：ピアノ協奏曲第1番（相良容子）
・バッハ,J.S.：3台のチェンバロのための協奏曲第1番（高田寛子，連桃季恵，松永みなみ）
そして，ゲストの宮谷理香さんが
・ショパン：ピアノ協奏曲第2番を演奏します。
というようなわけで，ピアノとオーケストラの作品ばかりが5曲，女性ピアニストばかりが７人も登場する聞き応え・見応えのある内容となっています。一種，”ピアノ協奏曲ガラ・コンサート”といった趣きもあります。
今回の指揮は東京混声合唱団の指揮者でもある山田和樹さんです。OEKともども，これだけの曲の伴奏を行うのもかなり大変なのではないかと思います。OEKの定期公演でも演奏されたことのないような作品も含まれていますので，ピアノ曲の好きな方には聞き逃せない演奏会になりそうです。
■６月１１日(月) 12:15〜 石川県立音楽堂コンサートホール
ランチタイム・スペシャル・コンサート
指揮＝シズオ・Z・クワハラ，バリトン＝原田勇雅
 お昼ごはん時間に行われているランチタイム・コンサートでは，通常，数名で室内楽が演奏されていますが，今回はOEKがフル編成で登場するという豪華版です。チラシには，「ベートーヴェン物語」「９つの勇気：君に届くベートーヴェンからの手紙」「ベートーヴェンの生涯を９つの交響曲で紹介します！」と書いてありますので，45分間で一気にベートーヴェンの交響曲の聞き所を味わってしまおうという内容のようです。
ドリンク付き１０００円でベートーヴェン全曲（？）という非常にお得な企画です。ちなみに，このチラシの表紙の写真となっている，井上道義さんとOEKの写真は大変面白い写真です。「２００７/2008定期会員募集のご案内」の表紙写真と同じものですが，井上さんがOEK団員から弦楽器の弓や楽器で突き刺されようとしているものです。団員から刺されかねない（？）指揮者の立場を象徴しているのかもしれませんが，井上さんならではの発想です。
あまりに面白いので，拡大した写真をご紹介しましょう。
■６月２２日(金) 19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
「魔弾の射手」オール・ウェーバー・プログラム
第２２３回定期公演PH 指揮＝アヴィップ・プリアトナ，クラリネット＝遠藤文江
 このところOEKは，ブラームスの曲を集めたり，ベートーヴェンの曲を集めたり，同一作曲者の曲をプログラミングを行うことが多いようですが，今回はオール・ウェーバー・プログラムとなります。ウェーバーはとても有名な作曲家ですが，このような形でまとめて取り上げられることは比較的珍しいことです。
中でも注目されるのは，ミサ曲「魔弾の射手」という作品です。歌劇「魔弾の射手」はドイツを代表するような名作オペラですが，ミサ曲版というのは初めて耳にします。一体どういう作品なのでしょうか？
今回はインドネシア出身の指揮者アヴィップ・プリアトナさんと同じくインドネシアの合唱団バターヴィア・マドリガル・シンガーズが登場します。このコンビとOEKとは昨年10月のシンガポール，マカオ公演でも共演を行っています。その時もモーツァルトの宗教曲を共演しましたが，今回は非常に珍しい曲ということで，演奏・曲ともに大変楽しみです。アヴィップ・プリアトナさんは，ウィーンで学んだ合唱指揮者ということで，本格的な宗教音楽を聞くことができるのではないかと思います。
この日のプログラムでは，OEKのクラリネット奏者の遠藤文江さんの独奏によって演奏される同じくウェーバーのクラリネット協奏曲第1番も楽しみです。OEKの奏者が独奏者として登場するのを見るのは，OEKファンとしては，大変嬉しいことです。
その他，お馴染みの歌劇「魔弾の射手」序曲と舞踏への勧誘が演奏されます。OEKは，編成的にもキャラクター的にも初期ロマン派の曲を演奏するのにぴったりのオーケストラですので，ウェーバーの世界を堪能できる演奏会になることでしょう。
■６月２９日(火) 19:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
青島広志の世界：楽しい音楽話とともに
第２２４回定期公演F 指揮＆お話＝青島広志，フルート＝yumi
 これまでは，実力派ポップス歌手との共演が多かったファンタジー・シリーズですが，今回は，テレビでもお馴染みの青島広志さんをゲストに迎えてのステージとなります。一体どういうお話が飛び出すのか，大変楽しみです。スリリングなトークを期待したいと思います。
青島さんは，日本テレビ系「世界一受けたい授業」，テレビ朝日系「題名のない音楽会２１」など，多くのテレビ番組に出演され，面白くてためになるトークを楽しませてくれていますが，その才能は，とどまるところを知りません。少女漫画研究家，イラストレーターという肩書きもお持ちの方です。
一見，コメディアン風の雰囲気がありますので誤解されがちですが，青島さんは，楽典の本を執筆されたり，素晴らしい合唱曲を作られたり，まじめな（？）音楽家としての一面もお持ちです。今回も，深く広い音楽的な知識を背景としたお話と演奏を聞かせてくれることでしょう。演奏される曲は不明ですが，モーツァルトとベートーヴェンの作品がテーマとなるようです。
今回のもう一人のゲストは，こちらもテレビ番組に出演されている若手フルート奏者のyumiさんです。yumiさんは，昨年，OEKと共演したCDを発売されましたが，今回はその中からの曲も聞かせてくれるのではないかと思います。
（参考ページ）青島広志ホームページ
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