2004年9月の演奏会から OEKが登場する金沢周辺で行なわれる演奏会

9月4日(土)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第166回定期公演PH 指揮=岩城宏之

9月の定期公演毎年,シーズンの幕開けの9月の定期公演には岩城宏之音楽監督が登場します。2004-2005の開幕公演は,今年CDが発売になり話題となったジュリアン・ユー編曲による「展覧会の絵」を中心としたプログラムです。このCDを既に持っている方にとっても,はじめて聞く方にとっても,好奇心を満たしてくれる演奏となることでしょう。ちなみに,この編曲は,昨年,金沢市観光会館で初演されていますので,今回は,「音楽堂での初演」ということになります。

その他の曲では,オーボエの入る比較的珍しい協奏曲が2曲演奏されます。西村朗:オーボエ協奏曲「迦楼羅(かるら)」フィオリロ:協奏交響曲(2本のオーボエと管弦楽のための)という新旧2曲のオーボエ協奏曲の聴き比べになります。ソリストはトーマス・インデアミューレさんとOEKの加納律子さんです。インデアミューレさんは,スイス出身の名オーボエ奏者で,加納さんの師匠に当たる方です。その共演も楽しみです。

その他,コダーイ:ガランタ舞曲も演奏されます。今年,岩城さんは東京フィルなどでハンガリーの音楽を頻繁に取り上げられていますので充実した演奏が期待できそうです。

■9月10日(金)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
国際舞台で活躍するいしかわのアーティストたち 指揮=岩城宏之


国際舞台に活躍する石川のアーティストコンサートOEKは毎年4月上旬に北陸地方の若手演奏家と「北陸新人登竜門コンサート」という演奏会を行っていますが,この演奏会はその”秋版”(または”登竜門コンサートのその後”)という感じの演奏会です。地元の若手演奏家を応援しようという岩城さんの熱意は石川県民にとっては,本当にありがたいことです。今回登場するのは,次の皆さんです。

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番(ヴァイオリン:吉本奈津子
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番( ピアノ:石本えり子
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲,“楽しい思い出はどこへ”ヴェルディ:歌劇「仮面舞踏会」より”ここは恐ろしい場所”,プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より”一人寂しく捨てられて” (ソプラノ:濱真奈美

9月21日(火)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第167回定期公演M 指揮=岩城宏之


9月のマイスター定期公演には,ヴァイオリンの諏訪内晶子さんが登場します。諏訪内さんとOEKは過去数回共演していますが,定期公演に登場するのは2回目です。前回は金沢市観光会館が記録的(?)超満員になり大入袋が出ましたが,今回も人気のコンサートとなることでしょう。

今回,もう一つ注目されるのは,OEKのコンポーザー・イン・レジデンスである,レーラ・アウエルバッハさんの新曲のヴァイオリン協奏曲が初演されることです。アウエルバッハさんは,文筆活動やピアニストとしても知られる注目の女流作曲家です。その新曲を諏訪内さんが初演するというのは,素晴らしい企画です。世界的にも注目を集める演奏会になるのではないかと思います(そのせいか,今回のチラシは英文表記が目立つようになっています)。諏訪内さんは,その他,サン=サーンスの序奏とロンド・カプリツィオーソも演奏します。

演奏会の後半は,岩城宏之音楽監督指揮によるブラームスの交響曲第2番です。岩城さんは室内オーケストラによるブラームスの交響曲全集を目指しているようで,今回の第2番は昨年3月に演奏された第4番に続く第2弾となります(第3弾は来年3月に取り上げられる第1番)。爽やかな気分のある,この交響曲は岩城指揮OEKにぴったりの曲なのではないかと思います。

この演奏会と同様のプログラムで次のとおりコンサート・ツアーが行われます。お近くの方は是非,お出かけ下さい。

9月23日(祝)大阪定期公演/9月24日(金)名古屋定期公演/9月25日(土)東京公演/9月26日(日)福島公演/9月27日(月)新潟公演