2006年3月の演奏会

3月12日(日)15:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
能とオーケストラのコラボレーション 
第197回定期公演M 指揮=小泉和裕
OEKは,これまで金沢の伝統芸能とのコラボレーションをいろいろ行ってきましたが,今回は加賀宝生流の能との共演です。2005年にOEKはパントマイムとの共演を行ったこともありますが,今回初演される,高橋裕:オーケストラと能のための「葵上」はどのようなシアター・ピースに仕上がっているのが期待したいと思います。音楽堂に能舞台が出てくるのか,ステージにも注目したいと思います。

今回登場するのは,金沢能楽会藪俊彦さんです。次のようなホームページがありましたので,ご覧になってください。→藪俊彦(篁宝)

その他,小泉和裕さん指揮で,今年が生誕250年となるモーツァルトの名曲2曲が演奏されます。モーツァルト:交響曲第39番モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークK.525

3月22日(水)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
ブラームス交響曲集完結!
第198回定期公演PH 指揮=岩城宏之

2年前の3月の定期公演で演奏された第4番から始まった,岩城宏之音楽監督指揮OEKによるブラームスの交響曲全集ですが,今回の第3番で完結となります。他の曲については,今回のシリーズ以前に演奏されたことはあったのですが,この第3番の全曲についてはOEKが演奏するのは私の記憶では今回が初めてだと思います(有名な第3楽章だけならば取り上げたことはあるかもしれません)。

第3番は,ブラームスの4曲の交響曲の中では唯一,静かに終わる曲です。この曲をシリーズの最後に持ってきた辺りに岩城さんのこだわりが感じされます。

今回,堤剛さんのチェロとの共演でドヴォルザークのチェロ協奏曲が演奏されるのも楽しみです。岩城さんと堤さんはとても長い交流がありますが,OEKとの共演は初めてだと思います。ベテラン2人による味わい深い演奏に期待したいと思います。

その他,武満徹:地平線のドーリアも演奏されます。モーツァルトの影に隠れがちですが,今年は武満さんも没後10年です。OEKはこの曲のレコーディングを行っていますが,実演だと楽器配置の面白さも楽しめる曲です。

この公演は,以下のとおり名古屋定期公演,東京定期公演も行われます。
●第24回名古屋定期公演(3月23日(木)19:00開演,愛知県芸術劇場コンサートホール)
●第21回東京定期公演(3月24日(金)19:00開演,サントリーホール)
※東京公演は金沢公演と同じ内容ですが,名古屋公演の方は,地平線のドーリアの代わりに,倉知竜也/八橋検校による「六段」幻想が演奏されます。


3月30日(木)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
池辺晋一郎「音のふしぎ〜メロディのからくり」その2
モーツァルトの作品をたねあかし
ウェルカム・スプリング・コンサート 指揮&案内役=池辺晋一郎
毎年春に行われている定期会員ご招待の「ウェルカム・スプリング・コンサート」ですが,今年は趣向を変えて音楽堂洋楽監督の池辺晋一郎さんのトークを交えたレクチャー・コンサートとなります。池辺さんは,NHK教育テレビで毎週放送されている「N響アワー」などでおなじみのとおり,クラシック音楽を分かりやすく紹介してくれることにかけては,現在の日本では右に出る人がいません。気楽に楽しめると同時に内容が詰まっている点が素晴らしい点です。今回もお得意の駄洒落を交えつつも充実したお話を聞かせてくれそうです。

今回は,今年生誕250年を迎えるモーツァルトの音楽にポイントを絞った話になりそうです。池辺さんは,かつて雑誌「音楽の友」に連載していた内容を「モーツァルトの音符たち」という本にまとめていらっしゃいますが,その内容と関連したものになるのではないかと思います。次のような曲が取り上げられます。

モーツァルト:交響曲第1番交響曲第40番〜第1楽章ピアノ協奏曲第21番〜第2楽章
ハイドン:交響曲 第101番「時計」〜第2楽章
今回,地元ではおなじみのピアニスト大野由加さんもピアノ独奏で登場します。

なお,このコンサートの短縮版が,「ランチタイム・スペシャル・コンサート」としても同日3月30日(木)12:15から石川県立音楽堂コンサートホールで行われます。夜のご都合の悪い方は,こちらにご参加ください。