OEKfan  オーケストラ・アンサンブル金沢を応援するページ  管理人:金沢市在住hs(C)
2006年11月の演奏会  今後の予定 backnumber
■11月 5日(日)15:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
石川県立音楽堂開館5周年記念
大阪センチュリー交響楽団&オーケストラ・アンサンブル金沢合同演奏会
 指揮=井上道義

石川県立音楽堂も開館して5年になりました。それを記念して,大阪センチュリー交響楽団(OCSO)とオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の合同演奏会が行われます。OEKとOCSOとは,お互いの本拠地で過去何度も合同演奏をしている,兄弟分のような間柄です。今回は,OEK単独の公演では演奏されないような編成の大きな作品ばかりが演奏されます。

今回のプログラムでメインとなるのが,ショスタコヴィチのオラトリオ「森の歌」です。オラトリオといっても宗教的な題材を扱っているわけではなく,かつてスターリンが支配していたソヴィエト連邦の社会主義リアリズム路線にショスタコーヴィチが(表面的に)従って作った作品です。そういう意味では「時代遅れ」の作品ではあるのですが,その簡明な分かりやすさもあって,日本では初演の頃から大変よく親しまれてきました。

この演奏会は,故岩城宏之さんが指揮する予定でしたが,この「森の歌」という曲は,岩城さんにとっても大変思い出深い作品でした。その事情については,岩城さんの代表的なエッセイ「森のうた」をお読み下さい。恐らく,この曲が,政治的な思惑は別として青春の歌となって響くことでしょう。

この曲には,その他,次のとおり独唱と合唱も加わります。志田雄啓(テノール),安藤常光(バリトン),「森の歌」特別合唱団,OEKエンジェルコーラス。井上道義さんは,確か「日本ショスタコーヴィチ協会」の会長をされていたこともありますので,どのような解釈を聞かせてくれるのかも楽しみです。

この演奏会の前半では,ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番も演奏されます。OEKの定期公演では,まず取り上げられない作品ということで,こちらも大変楽しみです。独奏として登場するアリス=紗良・オットさんは期待の若手ピアニストです。どういう演奏を聞かせてくれるのか楽しみにしたいと思います。その他,ショスタコーヴィチの祝典序曲も演奏されます。


■11月10日(金) 19:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
情熱の国が生んだ音楽
第210回定期公演マイスター・シリーズ 指揮=ジャン=ピエール・ヴァレーズ

11月の定期公演には,OEKのかつてのプリンシパル・ゲスト・コンダクターだったお二人が登場します。マイスター・シリーズには,ジャン=ピエール・ヴァレーズさんが登場します。ヴァレーズさんが定期公演に登場するのは,2005年3月以来のことですが,この時はルドルフ・ヴェルテンさんの代役でしたので,厳密に言うと,2002年以来久しぶりの登場ということになります。今回は,スペインをキーワードとした次のようなプログラムが組まれています。

モーツァルト:劇音楽「エジプト王タモス」K.345歌劇「フィガロの結婚」から歌劇「ドン・ジョヴァンニ」からファリャ:バレエ「三角帽子」第1組曲 その他

ファリャの「三角帽子」は,スペインの作曲家による,スペイン情緒に満ちたバレエ音楽ですが,モーツァルトの「フィガロ」「ドン・ジョヴァンニ」も実は,スペインを舞台とした作品です。今回のソリストとして登場するオフェリア・サーラさんもスペイン出身ということで,”お国もの”としても魅力を伝えてくれそうです。

その他,モーツァルトの「エジプト王タモス」という非常に珍しい作品も演奏されます。タイトルに「エジプト」が入っているところからすると,歌劇「魔笛」にも関係がありそうですが,一体どういう作品なのでしょうか?

「歌入りのスペイン情緒に満ちた公演」ということで,華やかな内容を期待したいと思います。


■11月22日(水) 19:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
ブーニン日本デビュー20周年記念
第211回定期公演フィルハーモニー・シリーズ 
 指揮=ギュンター・ピヒラー


11月後半の定期公演には,前プリンシパル・コンダクターのギュンター・ピヒラーさんが登場します。演奏される曲は,モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番イ長調K.488シューベルト:交響曲 第6番ハ長調D.589 ほかです。

今回の公演で注目されるのは,チラシの写真を見ても分かるとおり,ピアノのソリストとして登場するスタニスラフ・ブーニンさんです。ブーニンさんが日本で注目を集めたのは,何と言っても1985年のショパン国際ピアノコンクールでの優勝です。その翌年の初来日公演は「ブーニン・フィーバー」と呼ばれるような社会的な事件となりました。その,フィーバーから早くも20年がたちました。ブーニンさんは,過去,金沢公演も数回行っており,OEKとも共演を行っていますが,相変わらずその活動には大きな注目が集まっています。

前回のOEKとの共演では,モーツァルトのピアノ協奏曲第27番が演奏されましたが,今回は,モーツァルトのピアノ協奏曲第23番が演奏されます。そのときもピヒラーさんとの共演でしたが,今回もまた斬新な演奏を聞かせてくれることでしょう。

もう一つの注目は,ピヒラーさんの指揮によるシューベルトです。ピヒラーさんは,アルバン・ベルク・クワルテットの第1ヴァイオリン奏者としてシューベルトの弦楽四重奏曲をよく取り上げられていますが,OEKとの共演で,シューベルトの交響曲を演奏するのは今回が初めてだと思います。演奏される機会の少ない第6交響曲から,いつもどおりの集中力の高い演奏を聞かせてくれるのではないかと期待しています。


金沢以外での演奏会


●岐阜公演
日時:2006年11月11日(土)16:00開演
会場:サラマンカホール
指揮:ジャン=ピエール・ヴァレーズ
独奏:オフェリア・サーラ(ソプラノ)
曲目:モーツァルト:ディヴェルティメント K.137
   モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」より
   モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」
   モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調「ジュピター」K.551
問合:サラマンカホール サービスセンター(058−277−1110)


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 2001年9月6日開設