2002年11月の演奏会から

■11月6日(水) スペシャル公演:ブーニン&アンサンブル金沢
指揮=ギュンター・ピヒラー
2002年11月の公演
11月はスペシャル公演の連続になります。石川県立音楽堂開館1周年イベントとして次々と有名な外来アーティストの公演が続きます。OEK以外にもロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏会もあります。

11月最初のスペシャル公演は,スタニスラフ・ブーニンさんとギュンター・ピヒラーさん指揮OEKとの共演です。ブーニンさんといえば,ショパンコンクールで優勝した時のイメージがいまだに強いのですが,今回は,ショパンのピアノ独奏曲(幻想即興曲英雄ポロネーズ)に加えて,モーツァルトのピアノ協奏曲第27番が演奏されます。数年前,ブーニンさんはソロで金沢に来られたことがありますが,金沢で協奏曲を演奏するのは初めてのことになります。デビュー当時のブーニンさんには,「自由奔放」なイメージがありましたが,あのフィーバー(この言葉自体死語ですが)から15年以上たった現在,どういうモーツァルトを聞かせてくれるのか楽しみです。その他,OEKのみでモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」が演奏されます。この曲の大変注目される演奏になることでしょう。

※この演奏会と同様の公演は11月5日(火)に新潟市民芸術文化会館でも行なわれます。


■11月10日(日) 音楽堂特別公演 邦楽器&アンサンブル金沢ジョイントコンサート
指揮=ギュンター・ピヒラー
11月の公演
邦楽器と西洋楽器とのジョイントコンサートは,昨年の同じ時期にも行なわれています。石川県立音楽堂というホールの基本コンセプトを表現する金沢ならではの企画ということができそうです。

構成・演出は水野好子さんが担当し,次の曲が演奏されます。
牧野由多可(編曲):日本の心「山田耕筰のうた〜この道,赤とんぼ,まちぼうけ,ペチカ,松島音頭」,高橋裕:笙とオーケストラのための「風頼」,唯是震一:協奏曲第3番,宮城道雄(池辺晋一郎編曲):春の海

独奏者は次の方々です。笙:石川高,尺八:山本邦山,箏:安藤政輝。石川さんの曲は,OEKが初演を行なっていますので,今回は再演ということになります。尺八の山本邦山さんは,幅広く活躍されている第1人者です。今年から人間国宝になっています。箏の安藤さんは,宮城道雄に師事しており,その全作品連続演奏を始めている方です。今回の「春の海」は十八番といえそうです。

その他,地元のもりのみやこ合唱団石川県筝曲連盟が参加します。

■11月15日(金) スペシャル公演:ヨーヨー・マ&アンサンブル金沢
指揮=岩城宏之

2002年11月の公演
今回の音楽堂開館1周年企画では,ギドン・クレーメルとOEKとの共演とならんで大きな期待が寄せられている企画です。残念ながらクレーメルさんとの共演はキャンセルになってしまいましたので,このヨーヨー・マ岩城宏之指揮OEKとの共演はさらに大きな期待を集めることになるでしょう。

今回ヨーヨー・マさんが演奏する曲は次の2曲です。ハイドン:チェロ協奏曲第2番シューマン:チェロ協奏曲。ヨーヨー・マが出るなら何の曲でも良い,というのがファンの心理だと思うのですが,2曲ともチェロの名曲ということで,チェロの魅力を堪能できる演奏になるのではないかと思います。その他,OEKのみの演奏で,モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」も演奏されます。

ちなみに,この演奏会の単独のビラというのは無いようです(多分)。「秋の4大公演」というビラは見かけたのですが,単独のビラを作る前に売り切れてしまったのかもしれません。それほど,ヨーヨー・マさんの人気は凄いということです。県外からのお客さんも大勢来るのかもしれませんが,この機会に石川県立音楽堂とOEKの魅力にも触れてもらいたいものです。ちなみにこに掲載したビラは,富山公演のビラです。

※この演奏会と同様の演奏会は,11月14日(木)に富山県民会館でも行なわれます。

■11月27日(水) 第130回定期公演M
指揮=エルヴェ・ニケ

2002年11月の公演
11月唯一の定期公演は,OEK定期初登場のお二人の共演になります。指揮は,チェンバリストとしても活動されているエルヴェ・ニケさんです。ニケさんは,フランス出身で,コンセール・スピリテュエルという独自のアンサンブルを創設して活躍されています。

今回のソリストは,ソプラノのガエール・メシャリーさんです。この方は,フランス出身でヨーロッパ主要歌劇場で活躍されています。ニケさんともヴェルサイユ歌劇場で共演しています。

今回演奏される曲は,次の曲です。
モーツァルト:交響曲第39番モテット「踊れ,喜べ,汝幸いなる魂よ」,モーツァルト:オペラアリア集(歌劇「フィガロの結婚」「コシ・ファン・トゥッテ」から),カントルーブ:「オーヴェルニュの歌」から

この中で特に注目されるのは,オーヴェルニュの歌です。有名な曲の割に生で演奏される機会の少ない歌曲集ですが,フランス人の共演ということで,フランスの風土を感じさせる演奏を聞かせてくれるのではないかと期待しています。