2004年3月の演奏会と新譜 OEKが登場する金沢周辺で行なわれる演奏会と新譜のご案内

OEK1000第2期の写真「オーケストラ・アンサンブル金沢1000」第2期(5枚)が発売されました。今回は第1期とは違い,白を主体としたデザインとなっています。概要は次のとおりです。定期公演のライブ録音を主体とした内容です。
  1. 三善晃:三つのイメージ,武満徹:系図(岩城宏之指揮)
  2. 山口恭子,一ノ瀬トニカ,猿谷紀郎作品集(岩城宏之指揮)
  3. シューベルト:未完成,ブラームス:交響曲第4番(岩城宏之指揮)
  4. モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番,「ジュピター」交響曲(リーダー:安永徹)
  5. ヴィヴァルディ:四季他(ヴェルテン指揮)   各1,050円(税込)

■3月7日(日)16:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
素囃子とオーケストラ・アンサンブル金沢ジョイントコンサート
指揮=森口真司
3月の公演OEKは他のオーケストラから民謡歌手,ジャズバンドまで,いろいろなジャンルのアーティストとジョイント・コンサートを行ってきましたが,今回は素囃子とのジョイントコンサートです。

素囃子というのは,金沢の邦楽界を代表するジャンルです。いってみれば,”邦楽版アンサンブル金沢”という感じでしょうか?。今回の演奏会ではこの素囃子アンサンブルとオーケストラのために作られた多田栄一さんの作品が初演されるのがいちばんの聞き所です。今回演奏される曲は,杵屋正邦の「新曲猩々」という曲をベースに作られるとのことですが,どういう響きの作品となるのでしょうか?

それ以外には,素囃子だけで「竹生島」「島の千歳」,OEKだけで倉知竜也:「小景異情:ソプラノ独唱とオーケスオトラのための」が演奏されます。倉知さんの作品は,石川県立音楽堂が開館した年に行われた,「石川の三文豪によるオーケストラ歌曲作品コンクール」で最優秀に選ばれた作品です。今回が3回目の演奏となります。金沢出身の文豪・室生犀星の詩に付けられた作品ということで,素囃子との相性も良いのではないかと思います。ソプラノ独唱は,初演,再演の時と同様,薗田真木子さんが登場します。前2回の指揮は岩城音楽監督が担当しまししたが,今回は森口真司さんです。別の指揮者が指揮することにより,この作品がOEKのレパートリーとしてますます定着していくのではないかと思います。

なお,素囃子の演奏は杵屋喜澄(望月太以)社中の皆さんで,望月太左衛さんが監修されます。一月早く浅野川園遊会の雰囲気を楽しめるのではないかと思います。

●素囃子については次のページをご覧下さい。
いいねキッズMovieで見る金沢の芸能

3月12日(金)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第157回定期公演M
 指揮=岩城宏之
3月の定期公演OEKは今年の4月から5月にかけてヨーロッパ演奏旅行を行いますが岩城宏之音楽監督が登場する今回の演奏会は,その壮行会のような演奏会になります。演奏される曲はすべてヨーロッパ公演で演奏される曲ばかりです。次のような曲が演奏されます。

細川俊夫:庭の歌Iメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64武満徹:トゥリー・ラインベートーヴェン:交響曲第2番

現代日本の作品とベートーヴェンという組み合わせは,岩城さんがもっとも得意とする組み合わせです。ソリストとして登場するリディア・バイチさんは,オーストリアを中心に活躍している,まだ若いヴァイオリン奏者です。OEKと以前に共演したことはありますが,定期公演に登場するのは初めてです。新鮮なメンデルスゾーンを期待したいと思います。

3月25日(木)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
第158回定期公演PH
 指揮=ギュンター・ピヒラー
3月の定期公演3月後半の定期公演は,プリンシパル・ゲストコンダクターのギュンター・ピヒラーさんが登場します。演奏される曲目は,モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲シューマン:チェロ協奏曲ベートーヴェン:交響曲第8番です。

ベートーヴェンの交響曲第8番はOEKのぴったりの曲です。ピヒラーさんがどういう解釈を聞かせてくれるかを楽しみにしたいと思います。シューマンのソリストとしては,若手チェリストの石坂団十郎さんが登場します。”団十郎”さんというのは,大変立派なお名前です。それだけで華やかな雰囲気を感じてしまいます。ピヒラーさんの弟子筋にあたる方のようですが,難関のミュンヘン国際コンクールで優勝されている方ということで,大いに期待したいと思います。

3月29日(月)19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
ハイドン交響曲集第2弾
 指揮=ギュンター・ピヒラー
ハイドン交響曲集の第2弾は「ロンドン・セット」の中の2曲が演奏されます。2月末の第1弾では金沢周辺の大学生を中心とした大編成のオーケストラで「パリ・セット」の3曲が演奏されますので,好対照のプログラムということになります。この演奏会は,定期会員ご招待になります。

演奏されるのは次の曲です。
ハイドン:交響曲第101番「時計」協奏交響曲変ロ長調交響曲第100番「軍隊」

2曲目の協奏交響曲では,OEKの次の方々がソリストを務めます。この演奏も聞きものになりそうです。オーボエ:水谷 元,ファゴット:柳浦 慎史,ヴァイオリン:松井 直,チェロ:大澤 明

*チラシは製作中のようです。

■3月30日(火) 19:00〜 石川県立音楽堂コンサートホール
川畠成道&オーケストラ・アンサンブル金沢スプリングコンサート
指揮=ギュンター・ピヒラー

ヴァイオリンの川畠成道さんとギュンター・ピヒラーさん指揮のOEKとが共演する演奏会です。川畠さんは,イギリスを中心に活躍されている,新進ヴァイオリニストです。OEKとの共演は今回が初めてのようですが,親しみやすい曲を集めた今回の演奏会もきっと楽しめるものになるのではないかと思います。

メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調「イタリア」
エルガー:愛のあいさつクライスラー:愛の悲しみクライスラー:愛の喜びマスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ,マスネ:タイスの瞑想曲,サラサーテ:ツゴイネルワイゼンブラームス:ハンガリー舞曲第1番,シューベルト:アヴェ・マリア

この演奏会については,次のページからチケットの予約もできるようです。
http://www.hokkoku.co.jp/_event/kawabata-2004/

○参考:川畑成道さんのホームページ
http://www.narimichi.jp/profile.html