2003年5月の演奏会から

OEKの新譜
OEKの新譜がワーナー・ミュージック・ジャパンから,またまた発売されます。次の2点です。指揮者の金聖響さんの本格的なデビューCDということになります。
ベートーヴェン:交響曲第2,7番(WPCS-11684,\2520(税込))
 CDショップ・サイト等の情報[TowerRecords][HMV] 7月24日発売
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,コリオラン序曲(8月20日発売,WPCS-11685,\2520(税込)
 CDショップ・サイト等の情報[TowerRecords][HMV]8月20日発売
■5月3日(土) 第5回もりのみやこコンサート
指揮=本名徹次
家族で合唱とオーケストラを楽しむもりのみやこコンサートも春の連休の恒例行事となりました。今年の指揮者は本名徹次さんです。ゲスト奏者としては,おなじみの金沢出身のピアニスト宮谷理香さん,メゾ・ソプラノの串田淑子さんに加え,福井県出身の歌手尾野玲子さんが登場します。もちろん,もりのみやこ合唱団,もりのみやこ少年少女合唱団も登場します。演奏されるのは次の曲です。

ビゼー:アルルの女第2組曲,世界の歌メドレーモーツァルト:ピアノ協奏曲第21番からキャッツ〜メモリーエヴィータ〜泣かないでアルゼンティーナヴェルディ:歌劇「トロバトーレ」〜アンヴィルコーラス,炎は燃えてビゼー:歌劇「カルメン」〜ジプシーの歌モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスシューマン:流浪の民メンデルスゾーン(鈴木行一編曲):歌の翼に

■5月9日(金) 第141回定期公演PH
指揮=金聖響

2003年5月の定期公演5月の定期公演PHの指揮者,ソリストはお2人とも定期公演初登場です。ただし,既にOEKとCDを作っていますので初共演というわけではありません。そのお2人とは...指揮の金聖響さんとヴァイオリンの吉田恭子さんです。お2人ともまだ若いアーティストで,これからも繰り返しOEKの演奏会に登場されるのではないかと思います。

演奏される曲は次の3曲です。ベートーヴェン:「コリオラン」序曲メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」。序曲+協奏曲+交響曲というオーソドックスな構成となります。この中で吉田さんの登場するメンデルスゾーンは,先に書いたとおり,既にレコーディングされており,ワーナー・ジャパンから発売されています。このレコーディングは丁度1年前に石川県立音楽堂で行なわれましたので,そのお披露目の演奏会と言うことになります。また,「英雄」の方もレコーディングされるとの情報があります。こちらの方も期待しましょう。

金聖響さんは,ご自分のホームページの中で,OEKを高く評価し,共演・レコーディングに対しても非常に大きな期待を寄せていますので,この演奏は大きな聞きものとなることでしょう。恐らく,現代楽器による古楽器風演奏になるのではないかと思います。ちなみにこのお2人とも個人の公式ホームページをお持ちです。
Seele:金聖響公式ホームページ | 吉田恭子公式ホームページ
※この演奏会と同様の演奏会は5月11日に神戸でも行なわれるようです。


■5月14日(水) ギドン・クレーメル&オーケストラ・アンサンブル金沢
指揮=岩城宏之
ギドン・クレーメル&オーケストラ・アンサンブル金沢いよいよギドン・クレーメルさんが金沢に登場します。昨年9月,石川県立音楽堂開館1周年記念演奏会でクレーメルさんは岩城宏之指揮のOEKと共演するはずだったのですが,急病のため来日できなくなりました。この演奏会は,その「仕切りなおし」の演奏会ということになります。クレーメルさん自身の強い希望で実現した企画とのことですが,金沢の音楽ファンにとっても待ちに待った演奏会です(ちなみに他都市では,クリストフ・エッシェンバッハ指揮北ドイツ放送交響楽団とクレーメルさんの共演の演奏会が行なわます。金沢でもこのオーケストラの演奏会が同じ時期に行なわれますが,そちらにはクレーメルさんは登場しません。)。

昨年のプログラムは,クレーメルと若手演奏家によるベートーヴェンの三重協奏曲を中心としたものだったのですが,今回は,次の3曲となります。

シューベルト:ヴァイオリンと弦楽のためのポロネーズブリテン:ヴァイオリンとヴィオラのための二重協奏曲ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲。いずれの曲にもクレーメルさんが登場しますので,クレーメルさんの魅力を堪能できるのではないかと思います。この中でブリテンの曲は日本初演となります。今回,クレーメルさん以外に登場するのは,チェロのマルタ・スドラバさんとヴィオラのウラ・ウリジョナさんの2人の女性です。お2人ともクレーメルさんが作った「クレメラータ・バルティカ」という室内オーケストラの主要メンバーです。スドラバさんは,昨年の公演に続いての登場ということになります。今回の共演を機会に,クレーメルさん及びクレメラータ・バルティカとOEKとの交流も進んで行って欲しいものです。


■5月30日(金) 第142回定期公演M
指揮=アンドラーシュ・リゲティ
2003年5月の定期公演5月のMシリーズの方は,ビラに書いてあるとおり「ベートーヴェン特集」です。PHシリーズ同様,序曲+協奏曲+交響曲というプログラムです。今回登場するのは,指揮のアンドラーシュ・リゲティさんとピアノのイエヌー・ヤンドーさんのお2人です。お2人ともハンガリー出身ですが,それ以外にNAXOSという廉価盤CDレーベルの主要アーティストである,という共通点があります。このレーベルは,「あまり知られていないけれども実力のあるアーティスト」を使って大量のレコーディングを行い,この10年ほどで世界的に一気に評価が高まった新興レーベルです。そういう意味で,マニアックなCDファンにとっても注目の演奏会になるのではないかと思います。

リゲティさんは,過去OEKと共演していますが,ヤンドーさんとは初共演です。NAXOSでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集,モーツァルトのピアノ協奏曲全集など膨大なレコーディングを行なっている方ですので,今回の共演も大いに期待できます。ワーナー・ジャパンのOEK1000のシリーズもNAXOSも新譜なのに1000円程度という点で共通していますので,面白い巡り合わせです。

演奏されるのは次の3曲です。ベートーヴェン:「エグモント」序曲ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番交響曲第4番。3月に2番,5月に3番と来ましたので,それに続いて番号順にベートーヴェンの交響曲が演奏されることになります。